
エアコンは何度にすれば、朝までぐっすり眠れるのかしら。



1つの数字より「幅」で考えるのがこつです。
布団の中の温度もいっしょに見ていきましょう。
暑くて夜中に目が覚めたり、寒くて寝つけなかったり。眠りの浅さを温度のせいかもと感じても、何度に合わせればいいのかは迷いますよね。
最初に結論を言っておきます。
厚生労働省の睡眠指針の解説では、寝具や寝間着を使うふだんの生活なら、寝室の温度はおよそ13〜29℃の範囲で、布団の中の体の近くが33℃前後になっていれば、眠りの質は落ちにくいと考えられています。部屋の温度だけでなく、布団とパジャマで「布団の中の温度」を整えるのがこつです。
熟睡しやすい温度の目安|公的な資料では
寝室の温度は「13〜29℃」の幅で考える
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」の解説には、温度と睡眠についての研究がまとめられています。
| 場面 | 書かれていること(睡眠指針2014の解説より) |
|---|---|
| ほぼ裸で眠る実験 | 気温29〜34℃で睡眠が安定。それより低くても高くても、夜中に目が覚めることが増えた |
| ふだんの生活(寝具・寝間着あり) | 許容できる室温は13〜29℃と、低い側に広い。夏は高め、冬は低めになる |
| 布団の中 | 体の近くの温度が33℃前後なら、睡眠の質の低下はみられないと考えられている |
ここで大事なのは、「室温何度」の1点ではなく、布団の中が33℃前後になるように組み合わせるという考え方です。
同じ温度の部屋でも、厚い掛け布団とパジャマなら暖かく、タオルケット1枚なら寒く感じます。
部屋の温度は幅で考え、布団とパジャマで「布団の中の温度」を調える。これが熟睡温度の基本です。



同じ部屋の温度でも、布団やパジャマで変わるのね。



そうなんです。布団の中が33℃前後になるよう組み合わせます。
湿度は40〜60%程度が目安
国立精神・神経医療研究センター病院のコラム「温度、湿度と睡眠」では、湿度は40〜60%程度が良いとされている、と紹介されています。
| 湿度 | 起こりやすいこと(同コラム・睡眠指針2014の解説より) |
|---|---|
| 高すぎる | 汗で熱を逃がしにくい。同じ温度でも目が覚めやすく、深い眠りが減る。カビやダニが増えやすい |
| 低すぎる | 喉や鼻が渇き、眠りを妨げやすい |
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なぜ温度で眠りの深さが変わるのか
体の内側の温度が下がると眠くなる
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、脳や臓器など体の内側の温度(深部体温)は、昼に上がって夜の睡眠中に下がると説明されています。
寝る前に手足の皮膚の血流が増え、熱が外に逃げて深部体温が下がり始めると、眠りに入りやすくなります。
暑すぎても寒すぎても、熱がうまく逃げない
睡眠指針2014の解説では、次のように書かれています。
- 寒すぎると、手足の血管が縮んで、皮膚から熱を逃がさないようにする
- 暑すぎたり湿度が高すぎたりすると、汗で体温を下げる働きがうまくいかない
- どちらも、体の内側の温度が下がりにくくなり、寝つきが悪くなる
熟睡しやすい温度とは、体の熱が「ちょうどよく逃げていける」温度のことです。
手足が冷えると寝つきにくい
国立精神・神経医療研究センター病院のコラムでは、手足の冷えがある人は熱をうまく逃がせないことが知られている、と書かれています。
そのうえで、靴下をはくなどして冷えをやわらげるのもひとつ、と紹介しています。
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夏の寝室の温度|エアコンで涼しく保つ


暑い寝室は睡眠時間が短くなる
睡眠ガイド2023では、夏に寝室の温度が上がると、睡眠時間が短くなり、睡眠の効率が下がることが、ふだんの生活での調査で報告されていると紹介しています。
そのうえで、夏の寝室はエアコンを使って涼しく保つことが重要と考えられる、と書かれています。
夏のパジャマ・ウェアの選び方
夏は、布団の中に熱と湿気がこもりやすい季節です。
- 汗を吸って乾きやすい生地を選ぶ
- 首元や袖口がゆったりして、熱が逃げやすい形を選ぶ
- 掛け物はタオルケットなど薄いものにして、暑ければすぐ外せるようにする
リカバリーウェアの夏用は、生地の名前より、熱を逃がしやすい作りかどうかで選ぶのがおすすめです。
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冬の寝室の温度|布団の中を暖かく、部屋は冷やしすぎない
冬は「寝具で寝床の中を暖かく」が基本
睡眠ガイド2023では、冬に寝室の温度が下がって睡眠が悪くなることを示した報告は少なく、寝具を十分に使って寝床の中が暖かければ、眠りへの影響は少ないと考えられる、と書かれています。
ただし、急な寒さには気をつける
同じガイドでは、夜中のトイレや朝起きたときに急な寒さにさらされると、血圧が急に上がり、脳卒中や心筋梗塞につながるおそれがあるとも書かれています。
WHO(世界保健機関)の住まいのガイドラインは、冬の室温を18℃以上に保つことをすすめている、と紹介されています。
- 冬は、寝室や廊下・トイレが冷えすぎないようにしましょう。寝る前に過ごす部屋が寒いと、寝つくまでの時間が長くなるという調査もあります。
冬のパジャマ・ウェアの選び方
- 厚手の生地や長袖・ロング丈を選ぶ
- 薄手のウェアなら、肌着を重ねて調整する
- 足元が冷えるなら、靴下やレッグウォーマーを使う
- 着込みすぎて汗をかくなら、1枚減らす



冬は部屋をしっかり暖めないと、眠りが浅くなるのかしら。



寝具で布団の中が暖かければ、影響は少ないとされています。
ただ、夜中のトイレなどの急な寒さには気をつけましょう。
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寝る前の入浴で、眠りやすい温度の流れを作る


寝る1〜2時間前に、ぬるめのお湯で
睡眠ガイド2023では、寝る約1〜2時間前の入浴は、お風呂のあとに熱が逃げるのを助け、寝つきをよくする効果が期待できると書かれています。
少しぬるめの湯船にゆっくりつかると、寝つきや眠りの深さ、眠りの満足感がよくなるとも紹介されています。
熱すぎるお湯は逆効果になることも
睡眠指針2014の解説では、寝る直前に42℃以上の熱いお風呂に入ると、体温が上がりすぎて目がさえ、かえって寝つきが悪くなることがあるとされています。
- 入浴は寝る1〜2時間前に
- 湯温はぬるめと感じるくらいに
- 上がったら、汗が引いてから寝間着に着替える
今夜からできる、熟睡温度のチェックリスト
部屋・湿度・布団・服・入浴の5つを順番に見直すと、どこで温度がずれているかが分かりやすくなります。
- 寝室の温度は、13〜29℃の幅に入っているか(夏はエアコンで涼しく)
- 湿度は40〜60%程度か(湿度計があると分かりやすい)
- 布団の中が暑すぎて汗をかいていないか、寒くて縮こまっていないか
- パジャマやウェアの厚さが季節に合っているか
- 寝る1〜2時間前に、ぬるめのお風呂に入れているか
- 室温を整えても眠れない日が続く、日中の眠気が強いといったときは、自分だけで判断せず、医療機関に相談しましょう。
よくある質問
- 熟睡できる温度は何度ですか?
-
厚生労働省の睡眠指針2014の解説では、寝具や寝間着を使うふだんの生活なら、許容できる室温は13〜29℃とされています。そのうえで、布団の中の体の近くが33℃前後になっていれば、睡眠の質は落ちにくいと考えられています。
- 寝るときのエアコンは何度がいいですか?
-
公的な資料に「何度に設定する」という決まった数字はありません。夏は睡眠ガイド2023で、エアコンを使って寝室を涼しく保つことが重要とされています。13〜29℃の幅の中で、布団の中が暑すぎない温度に合わせましょう。
- 熟睡に良い湿度はどのくらいですか?
-
国立精神・神経医療研究センター病院のコラムでは、40〜60%程度が良いとされています。高すぎると汗で熱を逃がしにくく、低すぎると喉や鼻が渇きやすくなります。
- 冬の寝室は寒くても大丈夫ですか?
-
睡眠ガイド2023では、寝具で寝床の中が暖かければ、冬の寝室の温度による眠りへの影響は少ないと考えられています。ただし、夜中のトイレなどで急な寒さにさらされると血圧が急に上がるおそれがあるため、冷えすぎには注意しましょう。
- リカバリーウェアを着ると熟睡温度に近づきますか?
-
ウェアは、布団の中の温度を調える道具のひとつです。夏は熱が逃げやすいもの、冬は暖かい生地や重ね着で調整すると、季節に合った温度にしやすくなります。
まとめ
- 寝室の温度は13〜29℃の幅で、夏は高め・冬は低めになる
- 布団の中の体の近くが33℃前後なら、眠りの質は落ちにくいと考えられている
- 湿度は40〜60%程度が目安
- 夏はエアコンで涼しく、冬は寝具で寝床の中を暖かく
- 寝る1〜2時間前のぬるめのお風呂で、眠りやすい流れを作る



まずは今夜、寝室の温度と布団の中の暑さを確かめてみます。



いいですね。湿度計があると、湿度もいっしょに見られますよ。










